パパはジョニーっていうんだ

こんにちは。弁護士・社会福祉士・保育士の村松綾子です。
今日は、面会交流に関する絵本のご紹介です。

 

タイトルは「パパはジョニーっていうんだ」。スウェーデンの作家の絵本です。

絵本では、心温まるちょっぴり切ない面会交流の様子が描かれています。

面会交流の様子が分かりやすくリアルに描かれており、とてもお勧めです。

 

絵本の中では、主人公のティムが、自分の周囲の人に「自分のパパはジョニーだ」と自慢げに紹介しています。

私の元依頼者で、自分の子どもが面会交流中に偶然出会ったお友達に、「僕のパパは、鈴木洋一(仮名)っていうんだよ。」と自慢げに話しているのが「うれしかった。」とお話されていた方もいました。

 

そもそも、面会交流とは、婚姻中の父母が別居している場合,あるいは父母が離婚した場合において,子を監護していない親(非監護親)が子と直接会うなどの交流をすることをいいます。

 

面会交流は、弁護士としても常に大変悩ましい問題です。

別居している、あるいは離婚している夫婦のお子さんたちは、いろいろな思いを抱えており、何がお子さんたちに最善なのか周りの大人が真剣に考えていかなければなりません。

いろいろな事情があって、弁護士に相談・依頼をして、別居・離婚に至っている関係であるため、元夫婦としてお互いに憎んでしまったり、複雑な感情があると思います。しかし、元夫婦としては他人でも、お子さんたちの両親であることに変わりはありません。

お子さんたちの環境や気持ち・今までの夫婦関係(DV、モラハラ等)・お子さんたちへの影響(DV目撃、子どもの虐待行為等)によっては、必ずしも面会交流を実施すべきではない場合もあります。

 

私としては、お父さん・お母さん同士が話し合って、お子さんたちにとってより良い面会交流の方法を模索することが重要である、と考えています。

 

DVカルタについて

こんにちは。弁護士・社会福祉士・保育士の村松綾子です。

 私は、離婚事件(DV被害者支援・モラルハラスメント被害を含む)を担当することが多いので、今日はDVカルタの紹介をさせていただきます。

 DVカルタは、DV加害者更生プログラムで有名な、メンタルサービスセンター代表・カウンセラーの草柳和之氏により発案されました。

 このDVカルタは、特にDVの中でもわかりにくい、モラルハラスメントを説明するのに適していると思います。

 私が法律相談を受けていると、モラルハラスメントを精神的な虐待ではなく、性格の不一致だと思い込まされて、自分を責め続けて苦しんでいるDV被害者の方にお目にかかったことが何度もあります。

 専門職(弁護士・行政の相談員等)が、このようなカルタを利用しながら、被害者の相談を受けることで、被害者の方に少しでもモラルハラスメントだと気づいてもらえたらと思います。

 DVカルタは、メンタルサービスセンター(〒176-8799 練馬郵便局留/Tel.03-3993-6147)で購入できます。価格は1,300円です。ご興味のある方はぜひお問い合わせ下さい。

http://www5e.biglobe.ne.jp/~m-s-c/DV%20karuta%20%20page.htm

全国一斉養育費・児童扶養手当ホットライン

全国一斉養育費・児童扶養手当ホットライン

https://www.nichibenren.or.jp/event/year/2019/190419.html

 

2019年4月19日(金)(本日です!)、日本弁護士連合会では、全国の弁護士会との共催により「全国一斉養育費・児童扶養手当ホットライン」 と銘打った電話相談会を実施します。

全国統一ナビダイヤル【 0570-024-419 】(フヨウ・ヨウイク) です。

お気軽にお電話ください。

埼玉弁護士会では午後10時まで実施しています。

 

*通話料がかかります。PHSや 050IP電話からはご利用いただけません。

*ナビダイヤルにおかけいただきますと、お近くの弁護士会につながります。

*回線混雑等の事情によりつながりにくい場合もございますので、あらかじめご了承ください。

成年後見制度について ~報酬の見直し~

こんにちは。弁護士・社会福祉士の村松綾子です。

今回は、成年後見制度の最新トピックについてです。

 

 最高裁判所が、全国の家庭裁判所に、成年後見人の報酬算定方法の見直しを求める通知書を出しました。

(参考記事:https://mainichi.jp/articles/20190323/k00/00m/040/337000c

 

 現在は、後見を受ける人(成年被後見人)の資産に応じた定額報酬が一般的です。しかし、今後は、実際の業務量に応じた算定に改めることがメインのようです。

 最高裁判所によると、現在、報酬に全国統一の基準はなく、個々の裁判官が利用者の資産額などを考慮して決めています。

 実際の後見の業務量、特に身上監護については報酬にあまり反映されていません。

(※身上監護:成年被後見人の日常生活を見守り、環境を整える行為。例えば、老人ホームの入居契約等)

 

 正直、私の印象としても、お金のない成年被後見人ほど、いろいろなサービスを使えないので、成年後見人の業務量は多くなります。業務量が多いのに報酬が低くなるので、資産の少ない人ほど成年後見人がなかなか見つからないケースが多いです。

 また、そもそも成年後見制度が必要なのに、月々の費用が捻出できないために、成年後見制度の利用を躊躇しているケースもあります。

 

 今回の、最高裁判所による後見人の報酬方法を見直すこと自体には賛成です。しかし、成年後見制度の利用を促進するためには、お金のない人の利用を促進する仕組み(例えば、行政の報酬の援助等)もあわせて進めていく必要があります。

裁判所の安全対策について

https://www.jiji.com/jc/article?k=2019032000872&g=soc

 

 東京家庭裁判所の玄関で、女性が刺されて死亡する事件が発生しました。

 亡くなられた女性は、離婚調停のために東京家庭裁判所に訪れたところ、夫である男性に首を刺されてしまったとのことです。

 

 離婚をしたくて裁判所を訪れたのに、法が守られるべき安全なはずの裁判所で殺されてしまうのでは、離婚をする権利や、選択肢すら奪われてしまいます。

 

 東京家庭裁判所では、手荷物検査を実施していますが、その手荷物検査が行われる前の玄関で刺されてしまうのでは、手荷物検査は全くもって防犯上意味をなしません

 

 今後、裁判所は、敷地内の警備員の増強や、玄関に機械の金属探知機をつけて金属反応があれば玄関に入れないゲートを設置するなど、早急な防犯安全対策をすべきです。

 

 亡くなられた方やそのお子さんのことを思うと、本当に言葉になりません。

 ご冥福をお祈りいたします。

成年後見制度について③ ~成年後見制度における専門家の役割分担~

こんにちは。弁護士・社会福祉士の村松綾子です。

今回は、成年後見制度における専門家の役割分担についてお話していきます。

 

 弁護士や司法書士の特徴として、法律の専門家ということで、法律には社会福祉士の方より詳しいという特徴があります(中には、社会福祉士の方でも、弁護士と同じくらい詳しいのではないかと思う方もいますが)。

 

 しかしながら、現状の成年後見制度の実務として、身上監護がとても大変なケースについて弁護士や司法書士が成年後見人に選任されている、あるいは逆に、法律問題がかなり複雑なケースについて社会福祉士が成年後見人に選任されているケースがあります。

 つまり、それぞれの専門職の特徴を活かした形で、裁判所が成年後見人を選任していないケースが散見されます。

(私自身、社会福祉士資格を取得するきっかけとして、成年後見人の任務を全うするには、介護保険制度や生活保護制度などの福祉の知識が圧倒的に不足していると自覚したことにあります。)

 

 さらには、身上監護も大変な上(例えば、本人が在宅で、週1回は訪問に行かなければいかなければならない等)、かつ財産関係も複雑(例えば、本人のお金を横領している親族がいる等)なケースもあります。

 このようなケースにおいては、弁護士・司法書士(法律の専門職)と社会福祉士(福祉の専門職)が、2名で成年後見人になった方が適切な場合もあると思います。

成年後見制度について② ~成年後見制度における社会福祉士の強み~

こんにちは。弁護士・社会福祉士の村松綾子です。

前回に続き、成年後見制度についてお話していきます。

 

 私は、身上監護を行う能力については、社会福祉士は、他の専門職より優れていると思います。

 なぜなら、弁護士・司法書士は、法律の勉強を資格取得までにするものの、福祉の勉強(具体的には介護保険等)について一切、資格取得にあたって勉強をしていないからです。

 

 私の尊敬している独立型の社会福祉士の方は、どの施設やどこのディサービスが、成年被後見人(本人)に適しているかなどを熟知しており、地域の社会資源に本当に精通しています。

 

 また、社会福祉士は、本人のストレングス(強み)を生かそうという発想が、他の専門職に比べて高いという特徴があると思います。

 この点、弁護士・司法書士は、法律の専門家という側面から、いつも最悪の事態を想定しつつ、極端にリスクを回避する発想になりがちです。本人の弱みやリスクばかりに目が行く傾向があると思います。

(例えば、徘徊症状がある認知症の方を在宅支援することについて、その方が電車ではねられて多額の賠償請求が来ないように、できるだけ施設に入所させよう、等)

 

 そのような中で、社会福祉士が、本人の意思を尊重して、本人のストレングスを活かすという視点で身上監護を行うことが今後もますます求められると思います。

成年後見制度について① ~そもそも成年後見制度とは~

こんにちは。弁護士・社会福祉士の村松綾子です。

今回からは、成年後見制度について、制度の紹介及び私見を述べていきます。

 

 成年後見制度とは、認知症・知的障害・精神障害などの理由で判断能力が不十分な方を保護し、代わりに預貯金などの財産管理や身上監護をする制度です。

 

 本人を支援する成年後見人に、親族以外の第三者が選任されたものは全体の76・8%にも及んでおり、そのうち司法書士が10512件(37・7パーセント)、弁護士が8151件(29・2パーセント)、社会福祉士が4835件(17・3パーセント)選任されています。

(最高裁判所事務総局家庭局 成年後見関係事件の概況 平成30年1月から12月http://www.courts.go.jp/about/siryo/kouken/index.html

 

 先日、最高裁判所は、基本的な考え方として、後見人にふさわしい親族など身近な支援者がいる場合は、本人の利益保護の観点から親族らを後見人に選任することが望ましいと提示しています。

(参考記事:https://www.asahi.com/articles/ASM3L54SDM3LUCLV00X.html

 

 そもそも、大都市圏(もちろん埼玉県も含む。)では、親族関係が希薄となっていますし、子どもがいない世帯も増えています。そのような状況では、後見人にふさわしい親族がいない人も多く、親族以外の第三者が選任されるケースは今後増えると思われます。

保育士試験 合格体験記③ ~実技試験編~

こんにちは。弁護士・社会福祉士の村松綾子です。

今回は、保育士試験の実技試験についてです。

 

【科目選択】

 実技科目は、①音楽表現(ピアノ等)、②造形表現(絵を描く)、③言語表現(お話を読む)の科目のうち、2科目を選択します。

 私は、楽器(ピアノを含めて)をひけないので、そもそも①を選択できません。そこで、自動的に②と③を選択しました。

 しかし、問題がありました。私は最高に画力がないのです。

 

・造形表現

 この科目は、大原予備校に通って練習をしたり、過去問を書きまくったりしました。ある意味、司法試験より苦労しました。絵が苦手な人は、備校に通うことをお勧めします。

 ・言語表現

 この科目は、私が合格した年は、課題のお話のうち、①おむすびころりん、②3匹のこぶた、③3匹のヤギのがらがらどん、④手袋、の中から1つの選択でした。

 ほとんどの受験生が、①を選んでいました。他の話は、登場する人物(動物)が多いので、声色を変えなくてはいけないこと、話が長いことから時間内におさめるのが難しいと思います。

 この科目も一応、大原予備校に通って、先生の見本を参考にしました。(ただし、予備校に通わなくても、自分で練習すれば大丈夫な気がします。)

 

【本番の感想】

 実技試験は、9割の人が合格する試験なので、逆に緊張感がありました。私も、言語表現の科目のときに、前の人の読み方がすごく上手でしたので、とても焦った記憶があります。

 しかし、人と比較しても仕方がないので、落ち着いて自分のペースを崩さないことが大切だと思いました。

 

保育士試験 合格体験記② ~筆記2日目編~

こんにちは。弁護士・社会福祉士の村松綾子です。

今回は、保育士試験の筆記2日目です。

 

【試験2日目の科目】

・③教育原理

割と苦手科目でした。過去問を1回解いて前日に見直しをしたほか、前日に教育基本法と学校教育法を印刷して読み込みました

人物についてかなり勉強しましたが、表面的な理解ではなく、具体的に何を言っていたのかを押さえる必要がある問題が多かったです。その点、精選過去問題集の解説がとてもていねいだったので、勉強になりました。

常識で確実に解ける問題が4問あり、あとの6問が全然自信をもって解答できませんでした。しかし、結果は全科目中1番良かったです。試験の感触は1番悪かったですが、あてにならないと思いました。

(本番の結果:10点中9点)

・④子どもの保健

教育原理が終わった後、次の社会的養護が免除されているため、時間がありました。その間、⑥保育実習理論(苦手科目)と、④子どもの保健(得意科目)の両方を勉強していました。

この科目は得意で、かなり早い段階で過去問8割達成だったので、あまり勉強しませんでした。本番の試験は、20分程度で解き終わったので、早めに退席をしました。予防接種の問題をかなり読み込んでいたのが良かったです。

(本番の結果:20点中15点)

・⑤子どもの食と栄養

タンパク質・鉄などの食事摂取基準・推定平均必要量・推奨量・目安量などの暗記モノを覚えるのがかなり面倒でした。過去問を3回解きましたが、なかなか6割に達しないので、本番にも不安を抱えていました。

本番でも1番点数が悪く、1度解き終わって、見直し後に解答を変えたところがことごとく間違っていたので、最初の直感を信じるべしと改めて感じた科目でした。

(本番の結果:20点中13点)

・⑥保育実習理論

かなりの苦手科目。音楽の素養がないので、楽譜が読めません。とりあえず、コード問題はなんとか解けるようになりましたが、移調と、メロディーに合わせて伴奏を選ぶ問題も結局理解できなかったので、捨て問題にしました。捨て問題が20問中最低2問あるので、1番自信のない科目でした。

とりあえず、完全合格問題集を4回解いて、音楽用語を覚えまくりました。ちなみに、音楽用語はイタリア語なので、スペイン語を勉強していたおかげでかなり分かる部分もあり、改めてスペイン語とイタリア語の類似性を感じました。問題が例年より比較的簡単だったため、結果として捨て問題以外1問しか間違えなかったので、とても幸運でした。

(本番の結果:20点中17点)

 

【試験の感想】

2日間試験が終わって、体がヘトヘトになりました。以前より若くなく、自分に集中力がないことを実感しました。改めて、試験は若いうちに受けるべきだと思いました。