面会交流

「離婚などと子どもに関する法律手続き」の講演をしました

 こんにちは。弁護士・社会福祉士・保育士の村松綾子です。

 

https://www.pref.saitama.lg.jp/withyou/event/list/0919ikikata.html

 本日、With You さいたま(埼玉県男女共同参画推進センター)様主催の『生き方セミナー』で、「離婚等と子どもに関する法律手続き」というテーマで講師を務めさせていただきました。

    離婚と子どもに関する法律手続きということで、親権・養育費・面会交流についてお話をしました。

 

 皆様、特に面会交流に関する関心が高かったので、本日はここで少し面会交流についてお話をします。

 まず、一般的な面会交流の頻度についてお話をしたいと思います。

 一般的に、面会交流の頻度は月1回程度と決められることが多いですが、お子さん・お母さん・お父さんそれぞれの予定を合わせると、2か月に1回程度になることも少なくありません。

 特に、子どもが大きくなるにつれて、離れて暮らすお父さんと会う時間よりも、部活や友達との約束を優先したいと思うお子さんが増えていきます。

 このために、最初に決めた面会交流の条件では、子どもの成長とともに、子どもの意向と合わなくなってしまうことがあります。

 

 面会交流は、会えない非監護親の権利ではなく、あくまで子どもの福祉(子どものため)になされるものです。

 この「子どもの福祉」というのを誰がどう決めるのかが難しい問題です。

 一般的に、10歳以上のお子さんの意見は、面会の許否を判断するにあたり、ある程度その意向を尊重する傾向に裁判所もあります。

 しかしながら、お子さんも個性があり、はっきり自分の意見が言えるお子さんや、両親双方に気を遣い、自分の意見が言えないお子さんなど、精神年齢もお子さんによりさまざまです。

 面会交流は、これが正解ということが簡単に決まるものではなく、本当に個別具体的なケースに応じて考えていかなければならないことを、講義の中でも強調させて頂きました。

 

 しんぐるまざぁずフォーラムのスタッフの方、With You さいたま職員の方、本当にありがとうございました。御礼申し上げます。

パパはジョニーっていうんだ

こんにちは。弁護士・社会福祉士・保育士の村松綾子です。
今日は、面会交流に関する絵本のご紹介です。

 

タイトルは「パパはジョニーっていうんだ」。スウェーデンの作家の絵本です。

絵本では、心温まるちょっぴり切ない面会交流の様子が描かれています。

面会交流の様子が分かりやすくリアルに描かれており、とてもお勧めです。

 

絵本の中では、主人公のティムが、自分の周囲の人に「自分のパパはジョニーだ」と自慢げに紹介しています。

私の元依頼者で、自分の子どもが面会交流中に偶然出会ったお友達に、「僕のパパは、鈴木洋一(仮名)っていうんだよ。」と自慢げに話しているのが「うれしかった。」とお話されていた方もいました。

 

そもそも、面会交流とは、婚姻中の父母が別居している場合,あるいは父母が離婚した場合において,子を監護していない親(非監護親)が子と直接会うなどの交流をすることをいいます。

 

面会交流は、弁護士としても常に大変悩ましい問題です。

別居している、あるいは離婚している夫婦のお子さんたちは、いろいろな思いを抱えており、何がお子さんたちに最善なのか周りの大人が真剣に考えていかなければなりません。

いろいろな事情があって、弁護士に相談・依頼をして、別居・離婚に至っている関係であるため、元夫婦としてお互いに憎んでしまったり、複雑な感情があると思います。しかし、元夫婦としては他人でも、お子さんたちの両親であることに変わりはありません。

お子さんたちの環境や気持ち・今までの夫婦関係(DV、モラハラ等)・お子さんたちへの影響(DV目撃、子どもの虐待行為等)によっては、必ずしも面会交流を実施すべきではない場合もあります。

 

私としては、お父さん・お母さん同士が話し合って、お子さんたちにとってより良い面会交流の方法を模索することが重要である、と考えています。