保育士

保育士さんからの相談② ~園児の写真について~

こんにちは。弁護士・社会福祉士・保育士の村松綾子です。

今日は、保育士さんからの法律相談を紹介し、それに回答します。

 

【CASE②】

 ある保育園に勤めていましたが、園長先生が子どもたちの写真を勝手に保育園の年賀状に使用していました。

 私から「大丈夫なんですか?」と園長先生に尋ねましたが、園長先生は「保護者の方から文句が出たら止めたらいい。」と話していました。

 子どもたちの写真を無断使用するのは違法ではないでしょうか?

  

【ANSWER②】

 子どもたちの写真を、ご両親の許可なく利用することは、子どもたちの肖像権やプライバシー権の侵害(憲法13条)にあたり、違法です。

 また、子どもたちのご両親から、プライバシーの権利としての肖像権侵害を理由に損害賠償請求(民法709条)される可能性があります。

 

 保育園に通園しているお子さんたちの写真を利用する際には、事前にご両親から承諾書を取得するようにしましょう。

 その承諾書にも、園内での利用に限り同意するのか、園外での利用について同意するのかについて、後でトラブルにならないように、どこまでの範囲について同意するか否かついて、書面できちんと記録しておきましょう。

埼玉県の待機児童問題 ~保育士の待遇改善~

 こんにちは。弁護士・社会福祉士・保育士の村松綾子です。

 

 私は先日、埼玉県男女共同参画審議会委員に任命されました。任期は令和年7月1日から令和年6月30日までとなっています。

  本日の第56回埼玉県男女共同参画審議会では、様々なことが検討されました。

 

 その中でも重要なテーマとして、保育園の待機児童の問題があります。

 令和年度の埼玉県の待機児童数は、1,083人です。

 待機児童の解消には、保育サービスの受け皿を拡大する必要があります。それには、保育士さんの確保が不可欠です。

 

 私から、「同じ仕事なのに、保育士さんの給与が、東京都で働くと月額25万円前後なのに対して、埼玉県で働くと月額19万円前後だとすると、埼玉県の保育士さんが東京都で勤務するようになってしまうのではないか?保育士の待遇改善が必要ではないか?」と指摘させていただきました。

 

 保育士さんの仕事は、一瞬でも目を離せない大変な仕事です。子どもたちの安全を守るためには、保育士さんの質の確保が不可欠です。もっと保育士さんたちが働きやすい環境を整えることが、子どもたちの安全・安心にもつながると思っています。

 そのためにも、保育士さんの待遇改善が重要だと思いますし、これからも私はそのように訴えていきたいです。

保育士さんからの相談① ~退職金について~

こんにちは。弁護士・社会福祉士・保育士の村松綾子です。

今日は、保育士さんからの法律相談を紹介し、それに回答します。

 

【CASE①】

 ある保育園に勤めていましたが、職場の人間関係のストレスから退職しました。

 施設長として数年も務めていたのに、退職金は一切もらえませんでした。

 退職金はもらえないのでしょうか?

 

【ANSWER①】

 退職金について義務付ける法律はありません。

 そのため、退職金を請求するためには、労働契約上の根拠が必要です。 

 具体的には、就業規則や、労働契約書にそのような定めがあれば、認められる可能性があります。

 また、以上のような定めがなくても、過去に退職金が支払われた事実があるような場合には、慣行に基づいて退職金が支払われることがあります

 

 まずは、職場の就業規則を確認しましょう。

 また、退職金の請求権の時効はですので、それまでに確認してください。

保育士さん向けの無料法律相談

 保育士さん向けの無料法律相談を実施することにしました。(初回1時間無料

 よろしければ、新埼玉法律事務所 弁護士・社会福祉士・保育士の村松綾子にお電話ください(電話048-866-7770)(平日の午前9時半から午後4時半まで、土曜日も場合によりご相談に応じます)。簡単なご相談であれば、お電話でも対応しますが、基本的にはお電話でご予約の上、面談でのご相談を基本にしています。

 

 以下、私が、このように保育士さん向けの法律相談を実施しようと思った経緯を書かせてください。

 私は、自分自身が保育園に子どもを通わせている母親なので、保育士さんやベビーシッターさんと接する機会が多いのですが、保育士さんのお仕事はいつも大変なお仕事だなと尊敬の念を持っています。

 子どもは目を離すと、すぐに怪我をしたり、大人より体調を崩しやすかったりします。
 保育士さんのお仕事は、このような子どもたちの安全に配慮しなくてはならず、一瞬も気が抜けない仕事です。

 

 それにも関わらず、保育士さんのお給料は低いことが多く、休憩が十分に取れないなど、労働条件が恵まれているとは言えません。
 私も、保育士さんからお話を聞く中で、「それって法律違反じゃないの?」と思う場面もありますが、保育士さんの中には「どこに相談したらいいか分からなかった。」とおっしゃる方が少なくありません。

 

 私自身、保育士としての実務経験はありませんが、保育士の勉強をして保育士資格を有しています。
 魔法のような解決策を示せないかもしれませんが、保育士さんと一緒に悩んで解決策を考えることはできると思います。

 悩んでいる保育士の皆様、ぜひ一度ご相談ください。

保育士試験 合格体験記③ ~実技試験編~

こんにちは。弁護士・社会福祉士の村松綾子です。

今回は、保育士試験の実技試験についてです。

 

【科目選択】

 実技科目は、①音楽表現(ピアノ等)、②造形表現(絵を描く)、③言語表現(お話を読む)の科目のうち、2科目を選択します。

 私は、楽器(ピアノを含めて)をひけないので、そもそも①を選択できません。そこで、自動的に②と③を選択しました。

 しかし、問題がありました。私は最高に画力がないのです。

 

・造形表現

 この科目は、大原予備校に通って練習をしたり、過去問を書きまくったりしました。ある意味、司法試験より苦労しました。絵が苦手な人は、備校に通うことをお勧めします。

 ・言語表現

 この科目は、私が合格した年は、課題のお話のうち、①おむすびころりん、②3匹のこぶた、③3匹のヤギのがらがらどん、④手袋、の中から1つの選択でした。

 ほとんどの受験生が、①を選んでいました。他の話は、登場する人物(動物)が多いので、声色を変えなくてはいけないこと、話が長いことから時間内におさめるのが難しいと思います。

 この科目も一応、大原予備校に通って、先生の見本を参考にしました。(ただし、予備校に通わなくても、自分で練習すれば大丈夫な気がします。)

 

【本番の感想】

 実技試験は、9割の人が合格する試験なので、逆に緊張感がありました。私も、言語表現の科目のときに、前の人の読み方がすごく上手でしたので、とても焦った記憶があります。

 しかし、人と比較しても仕方がないので、落ち着いて自分のペースを崩さないことが大切だと思いました。