DVカルタについて

こんにちは。弁護士・社会福祉士・保育士の村松綾子です。

 私は、離婚事件(DV被害者支援・モラルハラスメント被害を含む)を担当することが多いので、今日はDVカルタの紹介をさせていただきます。

 DVカルタは、DV加害者更生プログラムで有名な、メンタルサービスセンター代表・カウンセラーの草柳和之氏により発案されました。

 このDVカルタは、特にDVの中でもわかりにくい、モラルハラスメントを説明するのに適していると思います。

 私が法律相談を受けていると、モラルハラスメントを精神的な虐待ではなく、性格の不一致だと思い込まされて、自分を責め続けて苦しんでいるDV被害者の方にお目にかかったことが何度もあります。

 専門職(弁護士・行政の相談員等)が、このようなカルタを利用しながら、被害者の相談を受けることで、被害者の方に少しでもモラルハラスメントだと気づいてもらえたらと思います。

 DVカルタは、メンタルサービスセンター(〒176-8799 練馬郵便局留/Tel.03-3993-6147)で購入できます。価格は1,300円です。ご興味のある方はぜひお問い合わせ下さい。

http://www5e.biglobe.ne.jp/~m-s-c/DV%20karuta%20%20page.htm

全国一斉養育費・児童扶養手当ホットライン

全国一斉養育費・児童扶養手当ホットライン

https://www.nichibenren.or.jp/event/year/2019/190419.html

 

2019年4月19日(金)(本日です!)、日本弁護士連合会では、全国の弁護士会との共催により「全国一斉養育費・児童扶養手当ホットライン」 と銘打った電話相談会を実施します。

全国統一ナビダイヤル【 0570-024-419 】(フヨウ・ヨウイク) です。

お気軽にお電話ください。

埼玉弁護士会では午後10時まで実施しています。

 

*通話料がかかります。PHSや 050IP電話からはご利用いただけません。

*ナビダイヤルにおかけいただきますと、お近くの弁護士会につながります。

*回線混雑等の事情によりつながりにくい場合もございますので、あらかじめご了承ください。

成年後見制度について ~報酬の見直し~

こんにちは。弁護士・社会福祉士の村松綾子です。

今回は、成年後見制度の最新トピックについてです。

 

 最高裁判所が、全国の家庭裁判所に、成年後見人の報酬算定方法の見直しを求める通知書を出しました。

(参考記事:https://mainichi.jp/articles/20190323/k00/00m/040/337000c

 

 現在は、後見を受ける人(成年被後見人)の資産に応じた定額報酬が一般的です。しかし、今後は、実際の業務量に応じた算定に改めることがメインのようです。

 最高裁判所によると、現在、報酬に全国統一の基準はなく、個々の裁判官が利用者の資産額などを考慮して決めています。

 実際の後見の業務量、特に身上監護については報酬にあまり反映されていません。

(※身上監護:成年被後見人の日常生活を見守り、環境を整える行為。例えば、老人ホームの入居契約等)

 

 正直、私の印象としても、お金のない成年被後見人ほど、いろいろなサービスを使えないので、成年後見人の業務量は多くなります。業務量が多いのに報酬が低くなるので、資産の少ない人ほど成年後見人がなかなか見つからないケースが多いです。

 また、そもそも成年後見制度が必要なのに、月々の費用が捻出できないために、成年後見制度の利用を躊躇しているケースもあります。

 

 今回の、最高裁判所による後見人の報酬方法を見直すこと自体には賛成です。しかし、成年後見制度の利用を促進するためには、お金のない人の利用を促進する仕組み(例えば、行政の報酬の援助等)もあわせて進めていく必要があります。

裁判所の安全対策について

https://www.jiji.com/jc/article?k=2019032000872&g=soc

 

 東京家庭裁判所の玄関で、女性が刺されて死亡する事件が発生しました。

 亡くなられた女性は、離婚調停のために東京家庭裁判所に訪れたところ、夫である男性に首を刺されてしまったとのことです。

 

 離婚をしたくて裁判所を訪れたのに、法が守られるべき安全なはずの裁判所で殺されてしまうのでは、離婚をする権利や、選択肢すら奪われてしまいます。

 

 東京家庭裁判所では、手荷物検査を実施していますが、その手荷物検査が行われる前の玄関で刺されてしまうのでは、手荷物検査は全くもって防犯上意味をなしません

 

 今後、裁判所は、敷地内の警備員の増強や、玄関に機械の金属探知機をつけて金属反応があれば玄関に入れないゲートを設置するなど、早急な防犯安全対策をすべきです。

 

 亡くなられた方やそのお子さんのことを思うと、本当に言葉になりません。

 ご冥福をお祈りいたします。

成年後見制度について③ ~成年後見制度における専門家の役割分担~

こんにちは。弁護士・社会福祉士の村松綾子です。

今回は、成年後見制度における専門家の役割分担についてお話していきます。

 

 弁護士や司法書士の特徴として、法律の専門家ということで、法律には社会福祉士の方より詳しいという特徴があります(中には、社会福祉士の方でも、弁護士と同じくらい詳しいのではないかと思う方もいますが)。

 

 しかしながら、現状の成年後見制度の実務として、身上監護がとても大変なケースについて弁護士や司法書士が成年後見人に選任されている、あるいは逆に、法律問題がかなり複雑なケースについて社会福祉士が成年後見人に選任されているケースがあります。

 つまり、それぞれの専門職の特徴を活かした形で、裁判所が成年後見人を選任していないケースが散見されます。

(私自身、社会福祉士資格を取得するきっかけとして、成年後見人の任務を全うするには、介護保険制度や生活保護制度などの福祉の知識が圧倒的に不足していると自覚したことにあります。)

 

 さらには、身上監護も大変な上(例えば、本人が在宅で、週1回は訪問に行かなければいかなければならない等)、かつ財産関係も複雑(例えば、本人のお金を横領している親族がいる等)なケースもあります。

 このようなケースにおいては、弁護士・司法書士(法律の専門職)と社会福祉士(福祉の専門職)が、2名で成年後見人になった方が適切な場合もあると思います。