裁判所の安全対策について

https://www.jiji.com/jc/article?k=2019032000872&g=soc

 

 東京家庭裁判所の玄関で、女性が刺されて死亡する事件が発生しました。

 亡くなられた女性は、離婚調停のために東京家庭裁判所に訪れたところ、夫である男性に首を刺されてしまったとのことです。

 

 離婚をしたくて裁判所を訪れたのに、法が守られるべき安全なはずの裁判所で殺されてしまうのでは、離婚をする権利や、選択肢すら奪われてしまいます。

 

 東京家庭裁判所では、手荷物検査を実施していますが、その手荷物検査が行われる前の玄関で刺されてしまうのでは、手荷物検査は全くもって防犯上意味をなしません

 

 今後、裁判所は、敷地内の警備員の増強や、玄関に機械の金属探知機をつけて金属反応があれば玄関に入れないゲートを設置するなど、早急な防犯安全対策をすべきです。

 

 亡くなられた方やそのお子さんのことを思うと、本当に言葉になりません。

 ご冥福をお祈りいたします。

成年後見制度について③ ~成年後見制度における専門家の役割分担~

こんにちは。弁護士・社会福祉士の村松綾子です。

今回は、成年後見制度における専門家の役割分担についてお話していきます。

 

 弁護士や司法書士の特徴として、法律の専門家ということで、法律には社会福祉士の方より詳しいという特徴があります(中には、社会福祉士の方でも、弁護士と同じくらい詳しいのではないかと思う方もいますが)。

 

 しかしながら、現状の成年後見制度の実務として、身上監護がとても大変なケースについて弁護士や司法書士が成年後見人に選任されている、あるいは逆に、法律問題がかなり複雑なケースについて社会福祉士が成年後見人に選任されているケースがあります。

 つまり、それぞれの専門職の特徴を活かした形で、裁判所が成年後見人を選任していないケースが散見されます。

(私自身、社会福祉士資格を取得するきっかけとして、成年後見人の任務を全うするには、介護保険制度や生活保護制度などの福祉の知識が圧倒的に不足していると自覚したことにあります。)

 

 さらには、身上監護も大変な上(例えば、本人が在宅で、週1回は訪問に行かなければいかなければならない等)、かつ財産関係も複雑(例えば、本人のお金を横領している親族がいる等)なケースもあります。

 このようなケースにおいては、弁護士・司法書士(法律の専門職)と社会福祉士(福祉の専門職)が、2名で成年後見人になった方が適切な場合もあると思います。

成年後見制度について② ~成年後見制度における社会福祉士の強み~

こんにちは。弁護士・社会福祉士の村松綾子です。

前回に続き、成年後見制度についてお話していきます。

 

 私は、身上監護を行う能力については、社会福祉士は、他の専門職より優れていると思います。

 なぜなら、弁護士・司法書士は、法律の勉強を資格取得までにするものの、福祉の勉強(具体的には介護保険等)について一切、資格取得にあたって勉強をしていないからです。

 

 私の尊敬している独立型の社会福祉士の方は、どの施設やどこのディサービスが、成年被後見人(本人)に適しているかなどを熟知しており、地域の社会資源に本当に精通しています。

 

 また、社会福祉士は、本人のストレングス(強み)を生かそうという発想が、他の専門職に比べて高いという特徴があると思います。

 この点、弁護士・司法書士は、法律の専門家という側面から、いつも最悪の事態を想定しつつ、極端にリスクを回避する発想になりがちです。本人の弱みやリスクばかりに目が行く傾向があると思います。

(例えば、徘徊症状がある認知症の方を在宅支援することについて、その方が電車ではねられて多額の賠償請求が来ないように、できるだけ施設に入所させよう、等)

 

 そのような中で、社会福祉士が、本人の意思を尊重して、本人のストレングスを活かすという視点で身上監護を行うことが今後もますます求められると思います。

成年後見制度について① ~そもそも成年後見制度とは~

こんにちは。弁護士・社会福祉士の村松綾子です。

今回からは、成年後見制度について、制度の紹介及び私見を述べていきます。

 

 成年後見制度とは、認知症・知的障害・精神障害などの理由で判断能力が不十分な方を保護し、代わりに預貯金などの財産管理や身上監護をする制度です。

 

 本人を支援する成年後見人に、親族以外の第三者が選任されたものは全体の76・8%にも及んでおり、そのうち司法書士が10512件(37・7パーセント)、弁護士が8151件(29・2パーセント)、社会福祉士が4835件(17・3パーセント)選任されています。

(最高裁判所事務総局家庭局 成年後見関係事件の概況 平成30年1月から12月http://www.courts.go.jp/about/siryo/kouken/index.html

 

 先日、最高裁判所は、基本的な考え方として、後見人にふさわしい親族など身近な支援者がいる場合は、本人の利益保護の観点から親族らを後見人に選任することが望ましいと提示しています。

(参考記事:https://www.asahi.com/articles/ASM3L54SDM3LUCLV00X.html

 

 そもそも、大都市圏(もちろん埼玉県も含む。)では、親族関係が希薄となっていますし、子どもがいない世帯も増えています。そのような状況では、後見人にふさわしい親族がいない人も多く、親族以外の第三者が選任されるケースは今後増えると思われます。

保育士試験 合格体験記③ ~実技試験編~

こんにちは。弁護士・社会福祉士の村松綾子です。

今回は、保育士試験の実技試験についてです。

 

【科目選択】

 実技科目は、①音楽表現(ピアノ等)、②造形表現(絵を描く)、③言語表現(お話を読む)の科目のうち、2科目を選択します。

 私は、楽器(ピアノを含めて)をひけないので、そもそも①を選択できません。そこで、自動的に②と③を選択しました。

 しかし、問題がありました。私は最高に画力がないのです。

 

・造形表現

 この科目は、大原予備校に通って練習をしたり、過去問を書きまくったりしました。ある意味、司法試験より苦労しました。絵が苦手な人は、備校に通うことをお勧めします。

 ・言語表現

 この科目は、私が合格した年は、課題のお話のうち、①おむすびころりん、②3匹のこぶた、③3匹のヤギのがらがらどん、④手袋、の中から1つの選択でした。

 ほとんどの受験生が、①を選んでいました。他の話は、登場する人物(動物)が多いので、声色を変えなくてはいけないこと、話が長いことから時間内におさめるのが難しいと思います。

 この科目も一応、大原予備校に通って、先生の見本を参考にしました。(ただし、予備校に通わなくても、自分で練習すれば大丈夫な気がします。)

 

【本番の感想】

 実技試験は、9割の人が合格する試験なので、逆に緊張感がありました。私も、言語表現の科目のときに、前の人の読み方がすごく上手でしたので、とても焦った記憶があります。

 しかし、人と比較しても仕方がないので、落ち着いて自分のペースを崩さないことが大切だと思いました。