こんにちは。弁護士・社会福祉士・保育士の村松綾子です。
前回に引き続き、障害者の成年後見人となった司法書士が、受給できるはずの年金の手続きを放置するなど職務を怠り、裁判で損害賠償を命じられるケースについてです。
<参考記事>:朝日新聞
前回の記事では、障害年金について書きましたが、今回は身上監護に焦点を当てて村松の私見を述べます。
この事件の前任者の司法書士は、成年被後見人の施設に直接訪問しておらず、身上監護を十分に果たしているといえないと思います。
しかしながら、司法書士・弁護士などの法律専門職は、身上監護を軽視する傾向にあります。
埼玉県の社会福祉士会のぱあとなあでは、月1回、成年被後見人に成年後見人が面談する義務がありますが、少なくとも埼玉弁護士会にはそのような義務はありません。
私見ですが、弁護士・司法書士等の法律専門職は、少なくとも年1回は成年被後見人と面談する必要があると思います(新型コロナの感染拡大防止のため、直接の面会を控えるべき場合は除く)。
実際に、成年被後見人の方にお会いすることで得られる情報は、無限大です。新型コロナの感染拡大防止のため、どうしても直接顔を会わせる機会は減ってしまっていますが、ご自宅に伺ったり、直接会ってお話するその方の表情など、直接お会いすることで、いろいろなことが読み取れます。
専門職である成年後見人の仕事内容として、本人との面談頻度についてもしっかりと義務化をするべきではないかと思います。