労働問題

保育士さんからの相談② ~園児の写真について~

こんにちは。弁護士・社会福祉士・保育士の村松綾子です。

今日は、保育士さんからの法律相談を紹介し、それに回答します。

 

【CASE②】

 ある保育園に勤めていましたが、園長先生が子どもたちの写真を勝手に保育園の年賀状に使用していました。

 私から「大丈夫なんですか?」と園長先生に尋ねましたが、園長先生は「保護者の方から文句が出たら止めたらいい。」と話していました。

 子どもたちの写真を無断使用するのは違法ではないでしょうか?

  

【ANSWER②】

 子どもたちの写真を、ご両親の許可なく利用することは、子どもたちの肖像権やプライバシー権の侵害(憲法13条)にあたり、違法です。

 また、子どもたちのご両親から、プライバシーの権利としての肖像権侵害を理由に損害賠償請求(民法709条)される可能性があります。

 

 保育園に通園しているお子さんたちの写真を利用する際には、事前にご両親から承諾書を取得するようにしましょう。

 その承諾書にも、園内での利用に限り同意するのか、園外での利用について同意するのかについて、後でトラブルにならないように、どこまでの範囲について同意するか否かついて、書面できちんと記録しておきましょう。

保育士さんからの相談① ~退職金について~

こんにちは。弁護士・社会福祉士・保育士の村松綾子です。

今日は、保育士さんからの法律相談を紹介し、それに回答します。

 

【CASE①】

 ある保育園に勤めていましたが、職場の人間関係のストレスから退職しました。

 施設長として数年も務めていたのに、退職金は一切もらえませんでした。

 退職金はもらえないのでしょうか?

 

【ANSWER①】

 退職金について義務付ける法律はありません。

 そのため、退職金を請求するためには、労働契約上の根拠が必要です。 

 具体的には、就業規則や、労働契約書にそのような定めがあれば、認められる可能性があります。

 また、以上のような定めがなくても、過去に退職金が支払われた事実があるような場合には、慣行に基づいて退職金が支払われることがあります

 

 まずは、職場の就業規則を確認しましょう。

 また、退職金の請求権の時効はですので、それまでに確認してください。

不当な「コロナ解雇」にならないために

こんにちは。弁護士・社会福祉士・保育士の村松綾子です。

 

https://www.tokyo-np.co.jp/article/45945

 

新型コロナウィルス感染拡大防止の影響で、非正規労働者・アルバイトの方の解雇が増えています。

特にアパレル、飲食業が多いようです。

突然自宅待機を命ぜられ、2~3か月待たされた挙句、突然LINEで解雇されるなどのひどいものもあります。

 

非正規労働者・アルバイトだからといって、無制限に解雇が認められるわけではありません。

自主退職という形に追い込まれないように、解雇という形にしてもらってください。

 

ブラック企業などは、解雇予告手当を出さないためや、後で解雇無効と言われないように、労働者に自主退職を迫ります。

詳しくは、私が原作で作成した漫画をご覧ください。

http://saitamarouben.com/web/wp-content/uploads/2017/01/9b7f64d12fa2cf1f92fd5f6cebbbd491.pdf

 

埼玉労働弁護団の相談先はこちらです。

https://saitamarouben.com/