こんばんは、村松綾子です。
今日は、一人暮らしの高齢者と賃貸アパートの関係について、お話をしたいと思います。
以前のブログで、村松が大家さんになったことをお話ししたと思います。
ブログ読者の方の中には、村松が今まで「弁護士・社会福祉士として福祉的視点で考える」というコンセプトのもと記事を書いてきたにもかかわらず、唐突にアパート大家のことを書いたので、「今までのコンセプトと違うでしょ。」と戸惑いを持たれた方もいらっしゃると思います。
そこで、今日はアパート大家の仕事について、福祉的な視点で考えていきたいと思います。
一人暮らしの高齢者になると、なかなか賃貸アパートを借りられないという社会問題があると思います。
その理由のひとつとして、大家さんから見たときに「一人暮らしの高齢者が賃借人だと、アパートで孤独死になってしまったらどうしよう」という漠然とした不安があると思います。
現代では、人が亡くなる場所は病院であることがほとんどであり、自宅で亡くなる人は少ないです。
そのような中で、いわゆる『告知義務』のある事故物件は、従来から、自殺・死後日数が経過しており特殊清掃が必要なケースなどに限られます。
それにもかかわらず、通常の自然死が起きた物件でも、告知義務があるのではないか?アパートの価値が下がるのではないか?と不安を抱える大家さんが増えています。
そのため、一人暮らしの高齢者がアパートを借りやすくするための公的な支援が必要だと思います。
具体的には、
①成年後見制度の活用
(ご本人が亡くなられた場合にも、ある程度対応してくれます。)
②孤独死保険の公費の補助
(現在、特殊清掃等が発生した場合の大家さん向けの孤独死保険がありますが、任意加入である上、大家さんの負担となるものが多く、これでは大家さんも一人暮らしの高齢者には貸しづらいです。)
③一人暮らしの高齢者の方の見守りの充実
などが挙げられると思います。
今後、一人暮らしの高齢者でも、自宅を持たない方が増えていくことが予想されます。そのような中で、一人暮らしの高齢者がアパートなどの賃貸住宅を借りやすくなる仕組みづくりが重要です。