母がしんどい

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こんにちは。弁護士・社会福祉士・保育士の村松綾子です。
今日は親子間のモラル・ハラスメントに関する漫画のご紹介です。

 

本のタイトルは「母がしんどい」。著者は、田房永子さんという方です。

 

この自伝的漫画の中では、お母さんは娘に酷い暴力を振るわけではないし(少しはあります)、ネグレクト(ブラジャーを買わない等はありますが)をするわけではないですが、娘の人格をとことん尊重しません。娘が自分と違う別の人間であることを理解できないのです。

親子間のモラル・ハラスメントの様子がすごくわかりやすく書かれているので、お母さんとの関係で何か違和感を持っている方は、ぜひ読んで頂きたいです。

 

親子間、とくに母親から娘のモラル・ハラスメントは非常に見えづらいです。
しかしながら、そのモラル・ハラスメントは、娘の人生に大きく影響していきます。
通常、子どもは父親より母親との接触時間の方が、圧倒的に長いですからね。

私も弁護士の仕事をしていると、夫との離婚の相談を受けていたはずなのに、気がついたら相談者の方とそのお母様のお話になっていることがあります。
自分は夫からDVやモラル・ハラスメントを受けてきたが、実は、実母からもモラル・ハラスメントを受けていたのではないか、と離婚相談中に気がつくということがたまにあります。

日本では、配偶者以上に、自分の親を悪く言うことを、よしとしない文化があります。
「せっかく産んでもらったのに!」とか、わかりやすい虐待事例ではない限り、子どもが親に対して「毒親!」と声をあげることが難しい雰囲気があります。

 

そのような中で、田房永子さんが勇気を出して、自伝的な漫画を描いて下さったことは、毒親に苦しんでいる子ども側に勇気を与えるものだと思います。
両親の感謝すべきことは、原則論ですが、あくまで例外があります。

私も「一面的に物事を見ないように気をつけなければ!」とこの漫画を通じて改めて思いました。

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